QNAP製NASにはiTunesサービスが備わっています。「Firefly」というサーバです。
スマートプレイリストを使うようになってからレートをよく利用するようになったのですが、ローカルのiTunesでの管理と違いiTunesサーバでのレートの仕組みがわかりませんでした。
悪戦苦闘の末、ようやく設定することができたので書いておきます。
iTunesサーバでのレート設定方法
- Windowsプロパティの「評価(★)」を設定する
これだけです。
悪戦苦闘した理由
方法さえ分かってしまえば非常に簡単で単純ですが、以下のような理由で苦戦しました。
- ローカルのiTunesではライブラリファイルでレートや再生回数を管理している
iTunes Library.itl
というファイルです。
ローカルのiTunesではライブラリ全体のレートや再生回数を1つのファイルで管理しています。
今回の結論としてiTunesサーバではファイルごとに管理していました。管理方法が違いました。
- ファイルにレートを設定してから実際に反映されるまでラグがある
Fireflyのconfiguration画面にはDatabase項目に「Rescan Interval」という項目があります。再スキャンまでのインターバル(秒)です。たぶん。
デフォルトでは180秒になっていたと思います。3分ですね。
検証段階として、Windowsプロパティの評価はもちろんID3タグでいろいろ付与して試してみましたが、いずれも効果がありませんでした。
このタイムラグは短いながらも検証にとても不便でした。
それと恐らくですが、ID3タグのバージョンによってはWindowsプロパティの評価を設定しても反映されないパターンもありそうです。
レートの一括設定
iTunesのホームシェアリングで楽曲の一覧を表示することはできますが、iTunesから楽曲情報を変更することはできません。
ファイル1つ1つを右クリックしてちまちま設定するとなると、時間がかかりすぎてしまいます。
そこで、ID3タグを編集するソフトウェアを使います。私は「Mp3tag」というソフトウェアを使用しています。
使い方はいつか個別に記事に起こすかもしれませんが、とりあえずはレートについてです。
Mp3tagはID3タグのさまざまな項目を参照・編集することができます。
今回のiTunesサーバのレートに該当するフィールド名は「%rating wmp%
」です。
数字で1~5を設定すると、そのままWindowsプロパティの評価に★~★★★★★が反映されます。
まとめ
- FireflyのiTunesサーバにレートはWindowsプロパティの「評価」が反映される
- 実際にiTunesサーバにレートが反映されるのはFireflyの再スキャン後
- Mp3tagで一括設定する場合は「
%rating wmp%
」に1~5を設定
こんなところでしょうか。
これでスマートプレイリストの活躍の場が広がりそうです。
ただ、iOSデバイスからだとスマートプレイリストが読み込めるアプリがなかなか無いのが難点です。
追記(2014/04/20)
いくつかのファイルにレートを設定してスマートプレイリストを試してみましたが、意図する抽出になりませんでした。
Fireflyのスマートプレイリストを作成するウィザードでrating = 3
といった設定を作成し、★★★をまとめて抽出しようとしましたが、結果は0。
他にもrating <= 2 AND rating >= 1
で★と★★を抽出しようとしても結果は0、しかし、rating >= 3
で★★★、★★★★、★★★★★をまとめて抽出しようとすると、レートを設定している全ての楽曲が抽出されたりします。
結論としては、Windowsのプロパティで設定した1~5の数値は、Fireflyのratingでは0~100で振られるようです。
つまり、以下のようになります。
Windows | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
Firefly | 0 | 20 | 40 | 60 | 80 | 100 |
実際には、Fireflyのスマートプレイリストではこれらの数値以外も設定可能なので、rating >= 3
だと確かに評価なし以外のファイルは抽出対象となります。
先ほどのようなスマートプレイリストを作成したい場合、設定条件は以下のようになりますね。
★★以下 | rating <= 40 AND rating >= 20 |
★★★ | rating = 60 |
★★★以上 | rating >= 60 |
★★★★ | rating = 80 |
★★★★★ | rating = 100 |
★★以下については、評価なしのファイルは避けるようにしています。
他にもジャンルや年代、アルバム名の一部などの条件を組み合わせることも可能です。
ただし、ANDとORを組み合わせることはできないので、極力はANDを使用するほうが望ましいです。せっかくレートを条件に入れてもORの場合、別の条件に該当すればレートは無視されます。