ふとしたきっかけで、「九十九(つくも)」は「次百(つぐもも)」が転訛した言葉だということを知りました。
個人的には次百という表現こそ初見でしたが、次が百=九十九ということですね。
…では、「百」を"もも"と読むのはなぜなのでしょうか。今回はそんな記事です。
語源・由来を辿る際には、いつも語源由来辞典から始めます。
モモ・桃(もも) - 語源由来辞典
諸説あるようですが、この場合は「百」を"もも"とした上で「桃(もも)」となったということのようです。
ピンポイントでの質問もありました。
何故「百」を「もも」と読むのですか? - Yahoo!知恵袋
そういえば、桃源郷といえば桃ですね。封神演義でも桃はなんかすごい果実だったような気がします。
これは面白い一説ですが、先ほどの語源由来辞典とは真逆の解になりますね。はてさて。
少しずれますが、このような質問もありました。
百合 ゆり のように「百」を使った特別な読みをする熟語を教えてください。 ... - Yahoo!知恵袋
まさに先ほどの回答の否定でした。
そして、「和語系数詞」というキーワードが登場しています。
確かに、数字の数え方として「いち、に、さん…」と「ひとつ、ふたつ、みっつ…」があります。百までいくと、「ひゃく」と「ももつ」とのこと。
この「和語系数詞」というのを調べてみると、以下の記事が見つかりました。
和語系数詞 - 授業がんばりMATH - Yahoo!ブログ
先の例でいくと、前者の「いち、に、さん」は漢語系数詞、「ひとつ、ふたつ、みっつ」は和語系数詞ということになるそうです。漢語というのは古代中国から伝わった言語体系ですね。
以前、各言語での数字の数え方をまとめてみましたが、よりにもよって日本語での数え方が不完全だったようです。
沢城みゆきさんは養成所時代に「数字を数えてみろ」と言われて、「いち、に、さん、よん、ご、ろく、なな、はち、きゅう、じゅう」と言ったら「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、く、じゅう」だろうと怒られたそうです*1。そうこなかにゃー!
和語系数詞という考え方をふまえて調べてみると、次の質問がありました。
「百」という文字で - Yahoo!知恵袋
少し詳細な和語系数詞が載っていました。
「二十歳(はたち)」「八百屋(やおや)」「千代(ちよ)」など、少し特殊な読み方は確かに残っていますね。千代に関しては、「千」という漢字そのものがカタカナの「チ」に似ているのですんなり受け入れられるかもしれませんが。
「八百万(やおよろず)」なんかは、"やお"+"よろず"という和語系数詞の組み合わせかもしれません。
最後に、こちらのサイトに辿りつきました。
とくしま消費者交流ひろば
確かに、「ひ、ふ、み…」という数え方も最近では聞かなくなりました。もっとも、昔に遡ってもほとんど聞かなかったかもしれません。知識としてのみ残っています。
ここで、百=も、千=ち、万=ろ、という数え方が登場しています。つまり、百が"も(もも)"と読むのは自然なことで、あとから"ひゃく"という読み方が足された形になるのかもしれません。
記事のタイトルに「数(学)の文化 ~和の数え方が消えていく寂しさ~」と銘打たれているのが物悲しいですね。
古い日本語での数の数え方の詳細は以下が参考になりそうです。
古代日本語の数体系
ということで。
Q:なぜ「百」を"もも"と読むのか
A:最初からそう読むのが自然だった