動物を含む慣用句:犬編

動物を含んだ慣用句はいろいろとあるようです。今回は「犬」編。

関連:

動物を含む慣用句:猫編

できるかぎり辞書順で並べていきます。また、適宜追加していきます。

一犬虚に吠え万犬これに和す

いっけんきょにほえばんけんこれにわす。

一匹の犬が何かの影を見てほえると、あたりのたくさんの犬がその声につられてほえたてることから、誰かがいい加減なことを言い出すと、多くの人がよく確かめずにそれを言いふらすということ。昨今のTwitterのようです。

犬一代に狸一匹

獲物を絶えず捜し回っている犬であっても、 狸のような大物を獲るのは、 犬の生涯で一度あるかどうかということ。

犬が西向きゃ尾は東

犬の尾はお尻に付いており、犬が西を向けばその尾は東を向きます。当たり前すぎるほど当たり前であることのたとえ。

犬と猿

犬猿の仲」なんて言いますが、犬と猿は仲が悪いようです。非常に仲が悪いことのたとえ。

犬に論語

道理の通じない者には、何を言ってもむだであるということのたとえ。

⇒馬の耳に念仏

犬の川端歩き

食べ物の落ちていない川端では犬は歩くだけであるということから、何の成果もないことのたとえ。

犬の遠吠え

「負け犬の遠吠え」とも。弱い犬が遠くから吠え立てることから転じて、臆病者が陰でいばったり陰口を言ったりすることのたとえ。

犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ

犬でさえ受けた恩を忘れないことから、人は恩知らずであってはならないということ。

犬も歩けば棒に当たる

実はいろいろと諸説あるようですが、意味としては行動すれば災難なり幸運なりに出会うということ。

尾を振る犬は叩かれず

従順な人は、誰からもひどい仕打ちを受けることはないことのたとえ。

飼い犬に手を噛まれる

日頃から面倒をみてきた者から裏切られたり、害を受けたりすること。

犬兎の争い

犬が兎を追いかけて山に入ったところ、どちらも疲れ果てて野垂れ死んでしまい、農夫が労せずしてどちらも得たことから、第三者に利益を横取りされることのたとえ。

犬馬の心

主君に対して忠節を尽くし、恩に報いようとする心のこと。

犬馬の労

他人のために全力を尽くすことの謙譲語。

狡兎死して走狗烹らる

こうとししてそうくにらる。

必要なときは重宝がられるが、用がなくなればあっさり捨てられることのたとえ。

一騎当千の武将も、戦がなくなれば活躍する場がなくなってしまいます。

夫婦喧嘩は犬も食わない

何でも食べる犬でさえ見向きもしないということから、夫婦喧嘩は他者が介入する必要のないことのたとえ。 たいていは本人たち以外には共感できない理由です。

煩悩の犬は追えども去らず

しつこくまとわりつく犬と同じように、煩悩はいくら追い払ってもつきまとって離れないことのたとえ。

羊頭狗肉

ようとうくにく。

見かけと実質がともなわないことのたとえ。看板には美味しそうな羊の頭を掲げつつ、実際に売られるのは犬の肉ということから。「羊頭を懸けて狗肉を売る」とも。