ワールドトリガー 第248話を読んで

あけましておめでとうございます。

まだまだ遠征選抜試験編です。

ワールドトリガー 第246話を読んで

今月は休載でしたが、先月分の感想を書いてなかったので今更更新です。

今回も大いにネタバレを含みますので、以降はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

前話までの感想も書いてましたが、麓郎とヒュースの重すぎ深すぎな話で丸々2話を使いました。それくらい重要なテーマだったってことですね。

先月は1話だけの掲載で、かつ最後に次号休載とあったので感想を書くか迷ってたんですが、読んでるうちに今後の修の戦術にちょっと思い当たるところがでてきたので思わず書いてます。

 

冒頭は夜の麓郎と半崎から始まります。数ページなのに、一般人目線で励ます半崎、意外と適当な荒船さん、覚悟を決めた麓郎、やらかした半崎。色々詰め込まれてました。

場面変わって残ったヒュースと日佐人。ヒュースの推測ではありますが、ここでようやく麓郎が臨時隊長に選ばれた理由が挙がりました。

教官候補。これはちょっと予想外で驚きました。ヒュースの推測がいちいち尤もで、この短時間で臨時部隊のチームメイトへの考察が相当深く出来ている辺り、遠征への本気度が想像以上でした。凄い。

 

そして、この話を評価していたA級隊員たち。前話までマジでA級隊員のことが完全に頭から抜けてました。真木理佐の言葉のナイフがあまりにも鋭い。

印象に残ったのが時枝と雷蔵のやりとりでした。時枝(の親御さん)の話も良かったんですが、雷蔵がリアクションするまでの一拍が妙に惹かれました。たぶん、第一次大規模侵攻での出来事の色んなことがよぎったんだなぁと思いました。

第一次の大規模侵攻って、重要ではあるけどまだそこまで情報が出てなくて、第1話や第二次侵攻の記者会見で犠牲者数が出たくらいでしょうか。玉狛支部の前身だった旧ボーダー本部のひとたちは第一次侵攻じゃなくてアリステラ防衛のときだったと思うので。

おそらく、犠牲となったひとたちの中には三輪のお姉さんもいたし、染井ちゃんの両親もいたし、他にも現隊員の関係者がたくさんいたんだと思います。また、直接の犠牲者でなくとも、ショックを受けておかしくなったひと等もいたかもしれません。

そう考えると、第二次侵攻の攻めた側だったヒュースがボーダーにいること自体が本当にヤバいんだなぁと。

 

そして、後半は特殊戦闘シミュレーション演習の1日目を終えた古寺隊のシーン。

諏訪隊の修の作戦に敗れた隊の1つでしたが、修のユニットを1体撃破しコストを暴いていたようです。こういう細かい木虎の機転が利くところがA級たる所以。

この強力な作戦が他の隊にも使えることを危惧し、射程対策が必須であるという話の流れになりました。ここでも盾を構えた弾対策トリオン兵がチラッと登場しています。

そして、「6種類以上ユニット使ってる部隊もけっこういた」ことから、ようやくシミュレーション演習3日目の諏訪隊の強さに気付く古寺。

読者目線からすると、初手での水上戦術や特殊戦闘シミュの歌川隊の怒涛のラッシュで、1人が複数のユニットを扱うことに何の違和感も覚えなくなっていましたが、実際の隊員たちからの目線だと気付かないときは本当に気付かないってことですね。

 

最後に、既に立ち直っている麓郎にちょこっと触れて諏訪隊のシーンに移ります。

溜め込む作戦の古寺隊と違い、さっさと打ち込んじゃう諏訪さんの判断の早さも地味に良いですが、修の特殊戦闘シミュ2日目対策は30分で済むというところから、仕掛けがシンプルであることが窺えます。

 

ここで修の作戦というか、修に限らずシミュ最終日の強い戦術について色々考えました。

まず、強いのが射程を使ったユニットです。

1日目を圧倒したヒュースの飛行型そのもの、千佳の強力ユニット対策、修の低コスト射程軍団。いずれも射程ユニットが輝くことが想定されます。

その射程への対策ユニットとしては、今話の奥寺が話すときに登場したような盾を持ったユニットが、239話でヒュースが戦術を話す際に対策の対策ユニットでも形は違うものの登場していました。

それと、射程ユニット自体の特徴としては、やはり「弾数」だと思います。

上と同じく239話で、攻撃手の強みを問う来馬さんに対し弾数が無いことでコストが安く済むと語る小荒井。次の240話では半崎のユニットの弾数が切れたりもしたことで、「弾数」が重要であり弱点であることが分かります。

 

ここから、射程ユニットへの対策としては「撃たせる」か「撃たせない」かだと考えました。

「撃たせる」は、撃たせた上でそれを防ぐための盾ユニットが1つの例で、作者が想定させたい解答なのかなと思いました。でも、盾ユニットにそもそも弾数を割くのかはちょっと気になります。

「撃たせない」は、一番最初の漆間が言ってたような超低コストのダミーユニットです。東さんのダミービーコンみたいなものです。これもある意味では「撃たせる」側かもしれませんが。

弾数が通常のシミュレーション演習以上に重要なので、弾幕のような戦術は特殊戦闘シミュでは難しいはずで、無駄撃ちは避けるべきです。

ここで、修のユニットのコストが「411」であることが今話で判明しました。通常の戦闘ユニットはシンプルなもので600ほど、少し強めのユニットだと1,100くらい。ヒュースの飛行型は約2,200で千佳のユニットは約3,100でした。

弾数を削って射程と威力を伸ばした修のユニットが411なのであれば、射程も威力も削ったユニットであれば、もっと削れるということです。宇井が作った「オペねこ」は184でした。

漆間が例に挙げた超安いダミーユニットが50となっていたので、もし本当に最低コストが50で実現できるのであれば、猛威を振るった修の411ユニットと外見だけ似てるダミーユニットであれば、相手の射程ユニットは撃つことすら躊躇うのではないかと考えました。

北添隊が全部同じ外見のユニットを戦術として採用していたので、2日目は修の低コスト射程ユニット数体と、超低コストのダミーユニット数体のグループの組み合わせで四方から撃つだけでも強力な戦術になるかなと。

相手の射程対策用盾ユニットは攻撃手ユニットで蹴散らせるので、射程持ちが増える環境には刺さるんじゃないかなと。

ただ、修の採用するシンプルな作戦ではない気がするので、いずれにしても次回が相変わらず気になる作品です。非常に楽しみだ。