歴史閲読のお供その3

歴史閲読のお供その1

歴史閲読のお供その2

その3です。

ちゃんとした意味はちゃんとした辞書に任せるとして、こういう意味に捉えておけばよいかな、程度でまとめてます。当たっているかは定かではありません。

今回は辞書そのままの単語が多いです。ということは単純な知識不足ですなぁ…

恣意

しい。

思い付き。わがまま。自分勝手。まさに人間原理

転回点

てんかいてん。

いわゆるターニングポイント。物語が180°(…とは限らないかもしれないが)切り替わる分岐点。

智恵

ちえ。

≒知恵。≒智慧

知識が経験に拠る基本ならば知恵は応用。"智"はより優れた"知"。

また、"慧"は"彗"と"心"を組み合わせた漢字で、彗は"ほうき"とも読み、か細い意味を含む。そこに心を当てることで、繊細で鋭敏な意味合いとなる、かもしれない。

「智恵」は、そんな知恵とか智慧に近しい意味。

栄達

えいたつ。

出世、昇進、昇格といった意味。"達"は通じるというような意味のようで、栄華へ通じるとかが語源だろうか。

背水の陣

はいすいのじん。

ことわざとしては有名で、逃げ道を無くすことで己を奮い立たせ、勝算の薄い戦いに少しでも勝ちを見出すための戦術。

実際に使われたことのある戦術だが、実際に勝利を導いた人物は楚の"項羽"と漢の"韓信"くらいか。

想像してみよう。敵軍に数で劣る上に、背後を大河で塞がれている状況。絶望的ではなかろうか。あえて選ぶような戦術ではないだろう。

阻喪

そそう。

気力がくじけ、元気がなくなること。意気消沈。粗相ではないよ。

不世出

ふせいしゅつ。

めったに世に現れないほどすぐれていること。とてつもない才能。

麾下

きか。

直属の配下。

謀を帷幄のなかにめぐらし、千里の外に勝利を決す

はかりごとをいあくのなかにめぐらし、せんりのそとにしょうりをけっす。

"帷幄"は帷(幕)をめぐらした作戦室のようなもので、現場から千里も離れた場所にいながら立てた作戦で自軍に勝利をもたらすこと。

劉邦が参謀の張良を称えた言葉が出典とのこと。

弓箭兵

きゅうせんへい。

弓矢を持った兵士。"箭"は矢のこと。

扼す

やくす。

強く抑える。または、要所を占める。

いや増す

いやます。

ますます多くなる。ますます盛んになる。漢字で書くと「弥増す」。

上兵は謀を伐つ

じょうへいはぼうをうつ。

優れた軍は、相手の策を策であるうちに撃破する。孫子の言葉。

正確には「故上兵伐謀。其次伐交。其次伐兵。其下攻城。攻城之法。為不得已也」となるらしい。

  1. 相手の策を策であるうちに撃破する。
  2. 相手の同盟国との交流を断つ。
  3. 相手の軍そのものを討つ。
  4. 相手の城を攻める。

いわゆる「戦わずして勝つ」というのが理想であり、相手の防備が整っているところへ攻めるというのは下策であるということ。

奔流の計

ほんりゅうのけい。

河川の上流で一時的に水流を堰き止めて、しかるべきときに一気に解き放つことで敵軍を押し流す水計の一種。

奸智

かんち。

ずるがしこい悪知恵。

好餌

こうじ。

良い餌。すなわち、好い餌。

人を引き寄せる餌。また、そのための都合の良い手段や材料。

累卵の危うき

るいけいのあやうき。

積み上げた卵はいろいろと危ない状況であり、それになぞらえて「非常に不安定で危険な状態」を指す。

冥府の羅卒

めいふのらそつ。

冥界の門番のようなもの。

羅卒は明治時代の警察官とからしい。また、"邏卒"とも。

全き

まったき。

完全で欠けたところのないこと。←辞書そのまま

留守居

るすい。

留守を預かる役目。

多寡

たか。

量。「たかが知れている」の"たか"。

弊履

へいり。

破れた履物。何の未練もなく捨て去ることのたとえである「弊履を棄つるが如し」の言葉に使われたり。

仕儀

しぎ。

物事の成り行き。事の次第。特に、思わしくない結果・事態。←辞書そのまま

韜晦

とうかい。

自分の本心や才能・地位などをつつみ隠すこと。←辞書そのまま

機を見て敏

きをみてびん。

好都合な状況や時期をすばやくつかんで的確に行動するさま。←辞書そのまま

利を見て貪

りをみてどん。

上記の言葉に似ていて、利益を嗅ぎ付けて貪欲に求め走ること。貪利。商人なんかを揶揄する際に用いられたりも。

泉下

せんか。

死後の世界。"泉"は黄泉を指す。

戦火に見舞われて泉下に… とかいうブラックジョーク。

楚々

そそ。

若い女性に使われる言葉で、清らかで美しいの意。

精勤

せいきん。

仕事や学業などにまじめに励むこと。←辞書そのまま

教誨

きょうかい。

教えさとすこと。矯正という意味も含むようす。

あたら

惜しくも。残念なことに。あったら。←辞書そのまま

漢字で書くと「可惜/惜」。

長幼の序

ちょうようのじょ。

年長者と年少者との間にある秩序。子供は大人を敬い、大人は子供を慈しむというあり方。←辞書そのまま

騒擾

そうじょう。

集団で騒ぎを起こし、社会の秩序を乱すこと。←辞書そのまま

智略縦横

ちりゃくじゅうおう。

≒知略縦横。才知を働かせて、はかりごとを思うままにめぐらせること。←辞書そのまま

錚々たる

そうそうたる。

「そうそうたるメンバー」というフレーズなどに使われるときの漢字。特別に優れているさまという意。

元々は楽器や金属などがさえわたって響く様子のことを表すそう。

前半生

ぜんはんせい。

人生を二分したときの前の半分。⇔後半生。←辞書そのまま

私淑

ししゅく。

直接に教えは受けないが、ひそかにその人を師と考えて尊敬し、模範として学ぶこと。←辞書そのまま

私(ひそ)かに淑(よ)くする。

知悉

ちしつ。

ある物事について、細かい点まで知りつくすこと。←辞書そのまま

貴賎

きせん。

"貴"はとうとい。=尊い。"賎"はいやしい。=卑しい。貴賎はそれらの対比を指す言葉。

「職業に貴賎なし」。「生き方に貴賎あり」。

失陥

しっかん。

攻め落とされて土地や城を失うこと。←辞書そのまま

「陥落」にあるように、"陥"には城が落ちる意味を含むようす。そこから生まれた渾名が高順の「陥陣営」。

指呼の間

しこのかん。

指差して呼べば答えが返って来る程度の距離のこと。「指呼」は指さして呼ぶこと。「指呼の中(しこのうち)」とも言う。←辞書そのまま

奔騰

ほんとう。

非常な勢いであがること。←辞書そのまま

壊乱

かいらん。

秩序・風俗などを乱すこと。また、乱れること。それと、組織などがばらばらに崩れてしまうこと。←辞書そのまま

屹立

きつりつ。

山などが高くそびえ立つこと。←辞書そのまま

四通八達

しつうはったつ。

道路や交通が四方八方に通じていること。道路網が発達して便利なこと。転じて、往来の激しくにぎやかな所をいう。←辞書そのまま

典医

てんい。

典薬寮に所属する医師のことで、「典薬寮」は宮廷官人への医療、医療関係者の養成および薬園等の管理を行う場所。

要するに偉い人のかかりつけ医。

なかんずく

その中でも。とりわけ。漢字で書くと「就中」。

したが

前文の内容を受けて、それに反するような事柄を述べるときに用いる。だが。けれども。←辞書そのまま

薫風

くんぷう。

初夏、新緑の間を吹いてくる快い風。←辞書そのまま

さんざめく

ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる。にぎやかに騒ぐ。←辞書そのまま

さざめくから転じた表現。

偽撃転殺の計

ぎげきてんさつのけい。

城攻めなどの際の戦術で、一箇所に兵力を集中させて攻撃を仕掛けつつ、少数の主力で別の箇所から敵門を破ることを狙う。

相手の防備の弱点を見抜きつつも、別の箇所へ盛大に攻撃して敵の防衛戦力を割かせることで、弱点を突破しやすくしている。

浚渫

しゅんせつ。

海底・河床などの土砂を、水深を深くするために掘削すること。←辞書そのまま

虚誘掩殺の計

きょゆうえんさつのけい。

「偽撃転殺の計」への対抗策として、自城の防備の弱点をあえて見抜かせて、そこに罠を仕掛けておくことで、敵の主力を削る。

曹操張繍の攻防で、張繍の軍師だった賈詡が採ったことで有名。

逆茂木

さかもぎ。

城郭の防備の一種で、敵の侵入を防ぐため、尖った枝の付いた木を外に向けて並べたもの。

乱杭

らんぐい。

城郭の防備の一種で、逆茂木ほどではないが、乱雑に打ち込んだ杭で敵の侵入を防ぐ。

矍鑠

かくしゃく。

年をとっても丈夫で元気のいいさま。←辞書そのまま

嗣子

しし。

家を継ぐべき子。あととり。←辞書そのまま

干天の慈雨

かんてんのじう。

日照り続きのときに降る、恵みの雨。待ち望んでいた物事の実現、困っているときにさしのべられる救いの手にたとえる。←辞書そのまま

第一義

だいいちぎ。

最も大切な根本的な意義、または価値。←辞書そのまま